せっかく手間や時間、お金をかけて染めた白髪染め、少しでも色づきを長持ちさせたいものです。
白髪染めの色が一番落ちてしまうのは、シャンプーの時です。
普段シャンプーをする時は真っ白な泡なのに、白髪染めをした後は、泡が色づいていませんか?
白髪染めの色の保ちは、シャンプーの選び方で変わってきます。
シャンプーの仕組み
髪や地肌の汚れは、チリや埃などの水で洗い流せる性質のものと、肌から出る油分や整髪量などの水では洗い流せない性質のものがあります。
シャンプーの際、水でよく洗い流すだけで8割がたの汚れが落ちるという説もありますが、ここで落とせているのは、水で洗い流せる性質の汚れです。
水で洗い流せない部分の汚れを落とせる機能を持つのが「界面活性剤」というものです。
水と油は馴染みませんが、界面活性剤には、その境目をなくしてしまう機能があり、界面活性剤を使うことで水と油が混ざるようになり、洗い流せるようになるのです。
どのような界面活性剤を使っているかによって、シャンプーは
- 高級アルコール系シャンプー
- 石鹸系シャンプー
- アミノ酸系シャンプー
の3種類に分類できます。
高級アルコール系シャンプー
合成界面活性剤が洗浄成分の主成分になっているシャンプーで、成分に、「ラウリル硫酸○○」「ラウレス硫酸○○」などの表示があります。
豊かな泡立ちと強い洗浄力が特徴です。
市販のシャンプーは、この高級アルコール系のシャンプーがほとんどです。
石けん系シャンプー
昔から世界各地で使われ続けている石けんは、安全性が十分に証明されている安心素材です。
石けん系シャンプーは、脂肪酸カリウム(石けん)の界面活性剤が主成分で、成分には「石けん素地」などの表示があります。
石けん系シャンプーの成分表示のサンプル
アルカリ~弱アルカリ性で高い洗浄力があり、洗髪中に髪にキシミやゴワツキが生じる独特の使用感があります。
シャンプー後に、髪のpHを中和する専用のリンスや、お酢やクエン酸などを使うことで髪がしなやかに戻ります。
アミノ酸系シャンプー
肌や髪の成分「たんぱく質」は、多数のアミノ酸が結びついて構成されています。
このアミノ酸から作られている界面活性剤が主成分で、肌や髪になじみやすく、洗浄力は十分にありながら、おだやかな洗い上がりです。
「ココイルグルタミン酸」「ラウロイルメチルアラニン」などの表示があり、グルタミン酸やアラニンなどのアミノ酸成分が使われています。
肌や髪と同じ弱酸性なので、石けん系シャンプーのようにリンスでpHを調整する必要がなく、シャンプーだけでリンスが必要ないものや、リンスではなくトリートメントがシャンプーとセットになっているものなどもあります。
アミノ酸の界面活性剤は原価が高いのでしょうか、アミノ酸系のシャンプーは商品価格が高めです。
スーパーやドラッグストアで販売されているようなお手頃価格の「アミノ酸」を謳っているシャンプーは、成分をみてみると、アミノ酸の洗浄成分の他に「ラウリル硫酸○○」「ラウレス硫酸○○」といった高級アルコール系シャンプーの成分も入っているものだったりしてます。
シャンプーの洗浄力や性質の比較
ということで、同じシャンプーでも洗浄力や性質がいろいろあります。
高級アルコール系シャンプーや石けん系シャンプーは洗浄力が強く、髪がさっぱり洗いあがりますが、その強力な洗浄力で白髪染めまで洗い流してくれてしまいます(汗)
また石けん系シャンプーは、安心素材でいいのですが、白髪染めを落ちにくくすることに関してはいただけません。
というのも白髪染めは、アルカリ性で髪を膨潤させて染料を髪の中に入れて、酸性で髪を引き締めて染料が外にでないようにするという仕組みで髪を染めています。
またヘアカラーは、髪の中には色は入りませんが、溶剤で浸透効果を高め、髪の表面や浅い部分に染着し発色させています。
石けん系シャンプーはアルカリ性で髪が膨潤するので、髪の中の染料が外に流れ出てしまったり、表面に浸透している染料が洗い流れてしまうのです。
白髪染めが落ちにくいシャンプー
洗浄力や性質でシャンプーを選ぶことで、染めた色の持ちが変わります。
私は、せっかく染めた髪の色を少しでも長くキープできるよう、アミノ酸系シャンプーを選んでいます。
もっとも、アミノ酸系シャンプーでも多少色落ちしますけど。。